システムの概要
MNB排水処理システムは、フッ素に次ぐ強力な酸化反応を持つ「オゾン」と、「マイクロ/ナノバブル」の圧壊作用によるフリーラジカルによって、排水中の有機物を直接分解した後、活性炭含有担体による高効率な微生物処理を行うことで、BOD・CODを大幅に低減することが出来る、従来では考えられなかった省エネルギーと汚泥減容を可能にしたシステムです。新時代の排水処理システムとして、小さな浄化槽から大規模な工場排水処理まで、様々な排水処理に対応できます。また、既存の施設を改造することなく、調整槽や曝気槽をそのまま利用して設置できるため、大規模な工事を行う必要がありません。ランニングコストも電気料とメンテナンス費用のみであり、コストを大幅に削減することが可能です。
システムの特徴
機器構成①
MNBノズル
NB発生装置
マイクロ/ナノバブル発生装置
マイクロバブル(ファインバブルともいう)とは、直径が約1~60μm以下の微細な気泡のことで、マイクロバブルよりさらに小さい直径が約1~3μm以下の気泡は「ナノバブル(ウルトラファインバブル)」と呼ばれています。マイクロバブルは洗浄や水質浄化の効果が確かめられ、工業分野を中心に産業利用が進んでいます。
さらに、血行促進や保温効果による美容・健康分野での採用事例も拡大し、農業や水産養殖業でも試験的な取組みが本格化しています。
マイクロバブルを発生させることができるノズルであり、最大の特長は、完全ストレート構造のため固形物や毛髪、繊維などが排水に混入していても、目詰まりしないタフさと、最大300t/hという大口径で生成可能です。
機器構成②
オゾン発生装置
オゾン水製造装置
高濃度オゾン発生装置
酸素から生成されるオゾンは3つの酸素原子で成っており、そのうちの一つの酸素原子が近くにある有機物や菌など別の物質と強く結び付くことで(酸化)破壊、分解する性質があります。
その際、微生物の核や、悪臭の元になる分子を完全に破壊するため、より効果の高い脱色・脱臭効果があることが実証されています。
水処理において、オゾンはSS成分やn-Hex等を直接分解でき、反応後は酸素に戻るので、塩素系の薬剤などと違い残留毒性が無い為、後処理の必要がありません。
機器構成③
活性炭含有キャリア
曝気槽での利用
活性炭含有担体
活性炭含有担体は排水処理における有用微生物を高濃度に固定し、処理効率を向上させる特殊なキャリアです。
スポンジ状の多孔質担体に特殊素材をコーティングすることにとより、大幅に多孔性を高めた担体であり、通常の担体に勝る、高い吸着性能と生物付着性能を有します。
低濃度オゾンとマイクロ・ナノバブルの併用により、微生物が通常の曝気以上に活性化し、従来は処理が困難だった難分解性の有機物も処理が可能になります。
活性汚泥法による排水処理
活性汚泥法は水処理のスタンダード技術として、地球の環境浄化に貢献してきました。
しかしながら処理のプロセスに次のような問題点が多く発生します。
①油分やSSに弱いため、凝集剤など多量の薬剤の使用によるランニングコストの増大
②薬剤の補充や添加量の調整
③機械のメンテナンスなどの煩雑な運転管理
④大量の余剰汚泥の発生、脱水機の薬剤や電力コストの増大
⑤硫化水素等の臭気の発生
⑥微生物の不活性化によるバルキング現象など
が挙げられ、それらはすべてランニングコストや人件費の増加につながります。
オーザックの処理プロセス
オゾン+マイクロ/ナノバブル+活性炭含有特殊担体による
排水処理システム/悪臭処理システム
導入事例
O3+MNB 排水処理システム 実証プラント
場所:新潟県長岡市
社名:株式会社長岡食肉センター
処理水:食肉加工及び総菜製造時の廃水(120t/日)
O3+MNB排水処理システムとして導入。総菜食品製造時の高濃度排水処理を、タンク2基を利用して行っている。
安定した処理を実現し、今まで汚泥の排出は行っておらず、河川放流を実現している。
導入までの流れについて
”アクアレスキュー”は、エジェクタ方式を採用したマイクロ・ナノバブル生成装置です。
一般的な汎用ポンプ(水中ポンプなど)に取り付けて給水するだけで、吸気部より自然吸気されてマイクロ・ナノバブルを含んだ曝気水を生み出せます。
マイクロバブルは、直径100μm以下の気泡を言い、生成すると共に収縮をはじめ、時間の経過と共に1μm以下のナノバブルに変わっていき、目視では見えなくなってしまいます。このマイクロ・ナノバブルを含んだ曝気水を利用して、曝気槽/調整槽/湖沼など大きな水域でも効率的に好気化できます。
マイクロバブルは、通常の気泡に比べて内圧が高く、液中に通常の気泡よりも長く滞留でき、ナノバブルであれば、更に長時間、液中に滞留できます。
ノズル本体はスレート構造であることから、様々な物質が混ざった汚水でも目詰まりせず、低圧損でエネルギー効率が良く、メンテナンスフリーで様々な用途で利用できます。
MSEスタティックミキサーは、貫通孔を有する中間板の両側に混合エレメントを配置して、ブラインド板で挟持します。組立はボルト及びナットで固定するだけです。これをフランジ間に設置することにより、配管内で流体を混合することができます。ボルト及びナットの緩み止め対策として、緩み止めナットを採用しています。
MSEスタティックミキサーは、シンプルで効率的な構造を有するため、短い距離で効率的に流体を混合することができます。気体でも液体でも混合することができます。